ベイトリールについて、使用感のメモです。
今回は、ダイワ T3MX 1016HL
◆T3MX1016HL購入理由
・ダイワのベイトリールが大好きで、「TWS(Tウイングシステム)」が好き。
・特徴のブレーキシステム「マグフォース3D」が気になったこと。
・ボディがダイワの高密度のカーボン樹脂「ZAION」であることに惹かれて。
・34㎜スプールでスプールの互換性があること。
◆T3MXの良さと特徴
スペック
190g 6/1 BBベアリング
ギア比:6.3:1(ハンドル1回転67cm)
最大ドラグ力:5.5kg
スプール径/幅 34㎜
ブレーキ: マグネット(外部ダイヤル調整)のマグフォース3D
ブレーキシステム
ブレーキシステムはマグフォース、マグフォースV&Z、マグフォースZロングディスタンスチューンを1台に収めた「マグフォース3D」採用とのこと。
マグフォースの本体マグネット位置を動かして、ブレーキ力の効きを変えることができる面白いシステム。ダイヤルもあるので、3モード×20段階の60段階の設定が可能です。
このマグフォース3Dに問題点があったのか不明ですが、今の販売機種には採用されていません。スプール性能が向上したため、不要と判断されたのでしょうか。
ダイワ系のベイトリールとして、めちゃくちゃワクワクするギミックです。ぜひ復活してほしいなー
ブレーキイメージ
初期状態でのブレーキ力のイメージの話になりますが、ハンドルを力いっぱい回して離したあとの惰性回転時にスプールとハンドルが止まるまでの時間は、マグネット式の場合ブレーキ設定により明確に変わります。
この時、スプールの回転数はほぼ上がっていないため、スプールのローターは可変していないかと思います。この惰性回転の停止時間を初期ブレーキ力の指標とし、比較してみました。
マグフォース3Dのブレーキ力の感覚的な調査です。
【T3MX】
①MAXBRAKE モード:設定20→3秒、設定10→4秒、設定0→5秒
②ALLROUND モード:設定20→4秒、設定10→4~5秒、設定0→5~6秒
③LONGCAST モード:設定20→5秒、設定10→6秒、設定0→7~8秒
【21ジリオン】
MAGBOOST:設定20→3秒、設定10→4秒、設定0→5~6秒
MAG Z:設定20→3秒、設定10→4秒、設定0→5~6秒
この実験、ダイワ系のベイトリールなら、本体マグネットとスプールローターの厚みによるブレーキ力の評価になるかと。
機体のグリス具合、ハンドルの重さ、スプール重量やライン等、いろいろな要素で変わるので、まったく参考にならないかもですが・・・イメージとして。
T3MXと21ジリオンの比較結果、21ジリオンのマグネット設定はT3MXのALLROUND モードに近いのかなと思いました。当たり前ですが、LONGCAST モードのようなブレーキ力が緩い設定には汎用機なのでしないのでしょう。
キャスト時は、ローター可変の仕方など、これまた沢山の要因があるため、キャストフィールがどうなるか不明です。
この実験から、LONGCAST モードの可能性(ブレーキ力の弱さ)に期待大で、実際にキャストしてきました。
脱線しますが、ダイワベイトリールのPEチューンはどこを変更して設定しているのでしょうか?(どこで有意差としているのか?)スプールか本体マグか。
ネットを見る限りはスプールのローターを薄くしてブレーキ力を弱くしているのかなと思っています。私はPEラインしか使わないので、スプールを購入するときにはよく確認・注意しようと思います。
飛距離
MAGBOOSTスプールは、T3MXにも装着できます。
T3MX LONGCAST モード+MAGBOOSTで34mm系の最高飛距離を目指してきました。
【検証タックル】
ロッド:シマノ ネッサXR B104M+
ルアー:ダイソージグ40g
【飛距離 結果】
①MAXBRAKE モード:設定0 → 約80m
②ALLROUND モード:設定0 → 約80~85m
③LONGCAST モード:設定0 → 約90~95m
糸ふけもあるので飛距離は大体です。
ラインが5色タイプなので大体ライン放出量から飛距離を推定しています。
マグネットモードで明確に飛距離が変わりました。
①と②は同等で、③LONGCAST モードは飛距離が伸びました。
これはブレーキ力の差が明確にでていることを示しているわけですから、風などがあるときにはモード変更するなど、使い方として面白いシステムです。
MAGBOOSTの恩恵があったのか、どのモードでもメタルジグではバックラッシュしそうになく、ブレーキ設定0が可能でした。
もっとブレーキを下げれるんじゃないかと感じるぐらいでした。
ただ、ダイソージグ40gではギリ100m行かない感じです。
21ジリオン+MAGBOOSTスプールの時は、設定3で85~90mぐらい飛んでいました。
ジリオンは設定2以下で糸が浮いていたような気もしていましたので、ジリオンの方がローター可変域でのマグネットが弱めなのかもです。
本体マグネットの仕様が進化しているのかな?
ちなみに、ダイワ TGベイト45gをキャストすると、100mは余裕で超えます。
「飛距離なら、男は黙ってタングステン。」知らんけど。
スプール
一世代以上前のこのT3MXですが、現在の34㎜スプールと互換性があります。
ダイワはメーカー側として売りにしていませんが、スプールの互換性が高い。
付属スプールは、マグフォースZ PE糸巻量(号-m):1.5-200です。
マグフォースZで、飛距離に重点を置いたスプールです。
若干ローター部が細い気がします。(ブレーキ弱め?)マグフォースZはSVと比較してローターのスプリングが固く、引っ張るにも力がいりますし、引っ張った状態から離すと「パチッ」と言うほど強く戻ります。
ブレーキ力にメリハリのある設定のスプールです。
レベルワインド「TWS(Tウイングシステム)」
昨今のダイワベイトリールの基本となる特徴的なシステム。
キャスト時にライン放出の抵抗が減るので、どの重さのルアーキャストでもライン放出のストレスとトラブルが減り、バックラシュリスクが軽減されます。
TWSは、本当にすばらしいシステムと思う。
T3MXでは最新のTWSがクラッチと連動して動くタイプでなく、カバーが動き、ラインを押さえつけてラインの通る場所を変えるタイプです。
クラッチ切ったら本体が変身。
この本体部分を抑えてもクラッチが戻ります。
「これはおもろいし、地味に便利かも。」と思っていた頃がありましたが、実際にはキャスト時に誤作動でクラッチが戻ることが頻発し、私には危険な仕様でした。
さらにクラッチが柔く感じ、簡単に戻る。これにはガッカリ。
さらに巻いているときにラインを押さえつけている部分の抵抗がプラスされてしまうので、最新のTWSの方がよさそう。
その他
改造①:ドラグ音
いつものごとく、ソルト対応ですがバス用に開発されていますので、「ドラグ音がなし!」
どうしようか悩んでいたら、市販にポン付けのドラグセットがありました。
こちらを購入して取り付けしました。ドラグ音も許容範囲で、ドラグにも問題なかったです。ソルト使用で錆びるかはこれからの経過観察ですね。
改造②:スタードラグ
「スタードラグが小さく、扱いづらい。見た目もよろしくない!」
そのため、21ジリオンのスタードラグを移植しました。この移植にはジリオンの部品が必要なのですが部品購入が面倒だったのでUVロジンを使って無理やり装着できるようにしました。
この手作り感が満載な改造により、フルロックができなくなり、ドラグ力を落としてしまった気がします・・・
でも、見た目は「ZAION」なのでかなり良き!操作性も格段にあがったかな。
ベイトリール使っている方はあるあると思いますが、私はスタードラグでハンドルを回して糸ふけをとる癖がありまして、スタードラグが長くなることがかなり操作性があがって良きです。⇒後日、断念して元に戻しました。
今回、初のローギアタイプを購入しました。
ジグの回収ではギア比がものたりなく感じましたが、その他では特に気になりませんでした。
これは、ルアー釣りをしていないからでしょう。
ゆっくり誘う巻の釣りにはよいのかな?ローギアの使い方が思いつかない・・・
他のリールとの比較
ダイワリールと比較
やはり最新の21ジリオンが良すぎます。
21ジリオンと比較するとT3MXは巻き感、クラッチ、パーミングと私の気にする部分の全ての面で、劣っています。持ちにくい!
いまさらこの機体を買うのは酔狂かと。私は中古と興味があったので買いましたが。
同じダイワですと、以前もっていた20タトゥーラSVTWよりは断然良いと思う。
20タトゥーラSVTWは巻いた時のダイワ系特有のシャカシャカ感が激しくて嫌でした。
さらにソルトの耐性がなく、潮抜けが悪いのか、ボールベアリングが安いせいなのか、すぐに錆びました。個体差もあったかもですが。断然、T3MXの方が良いかも。
シマノリールと比較
DC系と比較すると、20g以上のルアーやジグ等の遠投ではDCで良いのではないでしょう。エクスセンスDCSS、スコーピオンDCと比べるとバーサタイルな気がします。
触っていて楽しいし、軽快な感じ。
軽量級のアルデバランと比較すると、挙動は重いですね。
◆T3MXの評価
ドラグ、スタードラグのカスタムもしましたし、使うことに違和感ないです。
全体的な感想は、良機と思いました。
古い機種ですが巻き心地もそんなに違いがあると言えるほど気になりません。
34㎜スプールにはSV系もMAG系もあり、バーサタイルに使えますので良いかと。
5g以下とかの軽量系でなければなんでも楽しめます。
キャストのみですが、40gジグの使用に問題はなかったです。
あとはソルト利用での耐久性次第でしょうか。
飛距離:★★★★☆(MAG Z BOOST時)
評価 :★★★☆☆
カスタムをガンダムで例えると、GP01 ゼフィランサスをGP-01Fbにした感じ。
見た目が試作機感があって好き。釣りで使っていくかは不明・・・
楽しく、ベイトリールで!
他のリールの評価確認はこちらから。